
『不妊治療に終わりがみえてきて、年齢制限に焦りを感じて特別養子縁組を考え始めている。このままこの方法を選んでいいのだろうか。』
特別養子縁組を検討されているご夫婦の中には、このような不安を抱えている方が少なくありません。特別養子縁組は、こどもが新しい家庭で健やかに育つことを第一に考えた制度であり、養親となるご夫婦にとっても、大きな決断を要するものです。
今回のブログでは、特別養子縁組をご検討中の皆様が抱えるであろう不安に焦点を当て、後悔のない選択をしていただくためのヒントをお伝えします。
’’こどものいない人生で感じる後悔’’’’養子を迎えて感じる後悔’’どちらをご夫婦として選択されるのか、これは夫婦によって違い、正解はありません。
【特別養子縁組は子どもの福祉のための制度】
特別養子縁組は、「こどもがほしい大人のための制度ではなく、こどもの幸せ(福祉)のための制度である」とよく言われます。
「私たち夫婦はこどもを育てたい、それではダメなの?」
この疑問は、特別養子縁組を考え始めた方がぶつかる最初の問いです。この疑問をきっかけに、夫婦で改めて話し合ってみることをおすすめします。
・なぜ、私たちはこどもを育てたいのか?
・思い描く子育てとは、どんな姿なのか?
・こどもの幸せとは、どのような生活だろうか?
この問いに向き合うことで、養親として大切な「こどもの立場を尊重する」という視点を夫婦で確認することができます。
夫婦の中で、同じ気持ちでいる部分と、異なる気持ちでいる部分がわかるまで話し合いましょう。
夫婦それぞれの気持ちを尊重するためには、どうしたらいいのか、そこにこどもも加わり、こどもの意見をどのように尊重していくか、イメージしてみましょう。こどもは独立した人格を持つ、別個人であって養親自身の人格の延長線上に位置付けられるべき存在ではありません。
【不妊治療の心の傷と向き合う】
特別養子縁組を希望されるご夫婦の多くは、不妊治療の経験者です。不妊治療で抱えた心の傷や喪失感は、簡単に消えるものではありません。
「不妊治療を終えたから、次は特別養子縁組だ」と気持ちを切り替えることは、決して容易ではありません。焦って手続きを進めるのではなく、まずはご自身、一緒に治療を乗り越えたパートナーの心の傷と向き合う時間を持つことも重要です。
心の傷は、こどもを育てることで埋め合わせできるものではありません。
それは、ご自身が向き合い、癒していくべきものです。こどもとの幸せな生活が始まったとしても、心の傷がふとした時に蘇ることはあります。それでも、その傷とうまく付き合いながら、こどもと向き合っていくことが大切です。困ったり、悩むときは周囲に相談しましょう。周りに助けを求める力も養親にとって、大事な力です。
特別養子縁組を検討する上で、不安や悩みはつきものです。
経験者から学び、夫婦でよく話し合い、周りに悩みを相談していく。一つひとつの不安に丁寧に向き合うことで、後悔のない選択ができるはずです。多くのご夫婦が、この道を選び、こどもと出会うという運命を歩めますよう、心から願っております。
参考文献
里親と特別養子縁組 制度と暮らし、家族のかたち 林浩康 著 中公新書
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